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本 「いちばん大事なこと」 養老孟司

養老孟司の環境論

環境の専門家ではないが、本書は鋭い指摘で満ち溢れている。

氏曰く、環境問題は最大の政治問題。
長期的な環境を論じることは、景気や戦争よりも、誰にでも利害があるという点で重要だ。
ただ、長期的に捉えることができればの話だが。

よく「人間」対「環境」という構図をあてはめることがある。
人間とは、人間が暮らす社会を含めた人間の系。
環境とは、人間社会の外にある手つかずの自然。

一方、この本の中での対立軸は「都市」対「自然」
都市とは、人間の意識がつくり出したもの。
自然とは、人間の意識がつくらないもの。
人間の体は、自然がつくっている。
現在の都市化された人間にはその意識はどうしても薄い。

自然は思いどおりにいかないものだ。
現に自分の死すら把握することはできない。
子供も思いどおりには育たない。

現代の、”ああすればこうなる”という思考は
人体を含む自然には通用しないのだろう。
自然は多くの要素が複雑に絡み合うシステム
世の中には様々なモデルがある。
様々な現象を抽象化し、法則とする。
ただ、前提条件が非現実的であったり、制約が多かったりでモデリング精度は微妙である。

「起こったこと」が重要であり、「何も起こらなかったこと」は重要とはされない。
近代の歴史は起こったことのみで紡がれている。
何も起こらないために、日々多くの努力がされていることは忘れられがちではないだろうか。
予防はなかなか評価されない。
人はなかなか予防に対価は払えない。
経済効果の測り方はどうしても積極的な変化に対してである。

環境問題も予防と同じだ。

都市化が進み、自然に対する感覚が鈍感になってしまっている。
再び鋭敏になるためには自然と接することだ。

本書の最後では環境問題の解決策として、
都市と自然を行き来する参勤交代を義務付ける以外に手段はないと断言している。

生半可な意識や行動では変わらないということだろう。

かなり失われてしまったであろうが、それでもまだ残っている日本人の財産である自然観。
日本が世界で尊敬される国になるための重要なキーワードなのかもしれない。




いちばん大事なこと―養老教授の環境論 (集英社新書)
養老 孟司
集英社
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おすすめ度の平均: 4.0
4 夢中で読みました
4 システムとしての自然
5 環境のシステム論
3 前提が良くわからない
5 子供におすすめ

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